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第10回研究会
2008年3月15日開催

​会場:駒澤大学大学会館246


教育講演
「江戸の遊び」
講師:西邑桃代(NPO法人「日本の風」代表)

司会:賀陽濟(西東京心理療法研究所・田無神社)

特別講演
「子どもの世界・絵本の世界」
講師:きむらゆういち(絵本・童話作家)

司会:大山みち子(武蔵野大学・広尾心理臨床相談室)

シンポジウム
テーマ「こころの中のこどもと遊び」

ユング心理学の立場から
「こころの中の恐龍・怪獣たち」
シンポジスト:弘中正美(明治大学)
保育実践の立場から
「幼児と過ごす生活と遊び」
シンポジスト:山田道子(こどもの城)
児童精神医学の立場から
「子どもの心の修復過程としての遊び」
シンポジスト:齊藤万比古(国立精神・神経センター)

指定討論:西園昌久(心理社会的精神医学研究所)

司会:中村伸一(中村心理療法研究室)
司会:佐藤  豊(防衛医科大学校)

第10回「東洋思想と心理療法」研究会

この数回に亘り、いわゆる「生死」にまつわる主題について、東西の宗教・哲学や医学、助産・看護学などさまざまな視座や切り口から扱ってきました。十周年を迎えるこの度の会合では、死、出生・出産に引き続いて、「生死」を越えて人を人として成す「はたらき」としての、「遊び」と「子ども」という主題に着眼し、「こころ」という視点を通じて論議したいと考えました。

 「遊び」というと、あるときは「遊び心」を示し、「遊び人」を想わせます。そこには、「標準」と言う現実に縛られない、はたらきや存在を観ることが出来ます。子どもそのものを示す一方で、姿・形は大人でありながら、あたかも、子どものような行為、態度、心を示すこともあります。また「通人」のように凡俗の中での「遊び」の達人を示すこともあれば、聖や凡俗を越えたものを意味することもあります。

 後者では、日本禅宗の良寛和尚(と貞心尼)の逸話が富に有名です。それは、手まりを用いて、子どもと遊ぶ良寛であり、自らが子どもとなり、手まりとなりそして遊びそのものとなっている姿です。それは「生死」や「主客」(手まり、良寛、子どもという区別・分別)という概念や固定観念にとらわれない融通無碍・自由闊達という境涯であり、一休禅師の「風狂」に通ずるものといえます。当然ながら、如上の見方は、多様な議論の一例に過ぎません。

 さて、当日は、絵本・童話作家のきむらゆういち氏、江戸文化とデザインを研究されている西邑桃代氏をお招きし、ご講演戴きます。続くシンポジウムにおいては、三名のご高名な専門家に各々のお立場や領域からご発言戴きます。

 当日参会されるあらゆる方々によって、如何に議論し語られるのか、如何なる方向を示されることとなるか、ともに期待したいと思います。

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